研修設計

人事部向けIT研修の内製化|成功するプログラム設計方法

はじめに

ITスキルの重要性が増す現代において、企業がIT研修を内製化することは、多くのメリットをもたらします。特に、外部講師に依存しない「内製化研修」は、コスト削減や社員のスキル向上を促進し、業務に直結するカスタマイズ研修を実現します。本記事では、人事担当者がIT研修を内製化する際の具体的なプログラム設計方法について解説します。


内製化のメリットとデメリットは?

1. コストと品質

メリットは外部の研修を依頼する場合と比べ、コスト削減しやすいことです。削減できるコストとしては、講師料や施設費用、参加者の交通費などがあります。一方で、内製化を行うことで、品質の担保が難しくなります。利用する教材やツールが同じでも、講師の教え方、関わり方により結果に差異が発生することがあります。

2. 研修内容のカスタマイズ

企業の業務内容に合致したプログラムを柔軟に設計できることは内製化のメリットです。例えば、特定のプログラミング言語やシステム操作のスキルが必要な場合、そのスキルに特化した研修を組み込むことが可能です。一方で、専門的な内容であるため、難易度があがってしまうこともあります。

3. 従業員に合わせた柔軟なスケジューリング

外部講師に依頼する場合のように日程調整に制約を受けることなく、社員の業務スケジュールに合わせて研修を行えるため、参加者全員の学習効率を高めることができます。一方で、研修の進み具合が悪く、予定していたカリキュラムが終わらなかったり、無理に進めることで理解不足が発生するリスクもあります。


IT研修の内製化に向けたステップ

ステップ1: 研修の目的を明確にする

最初に、研修を通じて得られるべきスキルや知識を明確にしましょう。良い例として「CSV形式で出力された社員の通勤費一覧を、社員ごと月ごとに集計する処理を作れる」や「社内手続き書類のチェックに必要な法律を理解する」のように、具体的にゴールを設定することです。悪い例として、「基本的なプログラミングスキルの習得」や「クラウドサービスの運用能力の向上」のように、具体的な指標がないものです。研修の効果測定も出来なくなります。研修後にどのような成果を期待するかが、プログラム設計の指針となります。

ステップ2: 対象者のスキルレベルを評価

対象となる従業員のスキルレベルを事前に評価します。これは、研修前後での成長度合いを把握するために必要です。ここで気を付けたいことは「研修の目的を従業員のスキルレベルに合わせて調整しない」ということです。理由はステップ1で目的を設定しているからです。調整するのは、伝え方や進め方になります。ITの基礎知識がない場合、入門編のカリキュラムから始めることもありますし、ある程度の知識を持っている中級者向けには、より専門的な内容を用意することもあります。

ステップ3: カリキュラムの作成

研修内容は、理論的な学習と実践的な演習をバランス良く組み合わせることが重要です。例えば、以下のような構成が考えられます:

  • 基礎セッション:プログラミング言語の基本やネットワークの基礎知識を座学で学習。このセッションの目的は、知ることです。忘れても良いですが、必要な時に自力で検索し、思い出せる状態にします。
  • 実技セッション:ハンズオン形式で、実際にコードを書いたり、サーバー設定を行う演習。このセッションの目的は、利用の仕方を習得することです。いろいろなケースを体験し、対応できる観点を持って適切に対応できる状態にします。また、安全に「失敗」を体験させることができる機会でもあります。必要な「失敗」を経験させフィードバックを行い、最終的に「成功」を体験させると、より成長を実感できるでしょう。
  • フィードバックセッション:実践の中で学んだスキルについてフィードバックを行い、改善点を共有。実技セッションの「途中」と「終わり」に実施することで、より成長の確認をすることができます。

内製化IT研修の成功要因

1. モチベーションの向上

社員のモチベーションを高めるためには、本人が「これは必要」だと心から思えることです。企業によっては、インセンティブを設定することがありますが、学習の目的が「インセンティブをもらう」となることは、一過性の目的となりやすく、非常に問題です。インセンティブを取得したとたん、モチベーションが下がるといったことも発生します。ベストな状況は本人が「この研修は〇〇するために必要なうちの1つ」となるようにしましょう。資格取得支援や、研修後の評価を昇進の一部に反映するなどの施策は、長期的には考えると効果がほとんどありません。

2. 継続的な学習の提供

内製化研修は一度きりだと忘れてしまいます。定期的継続的に実施し、結果を出すためには、本人に明確な実施目的をもってもらうことです。それに併せて、環境や実施するタイミングを用意すると効果がでやすくなるでしょう。学習環境としてマイクロラーニングやeラーニングを活用して、短時間で学べるコンテンツを提供することで、業務の合間にも学習が可能となります。

3. ビジネスマナー研修やリーダーシップ研修との併用

ビジネスマナー研修やリーダーシップ研修をIT研修で実践する(盛り込む)ことで、知識だけでなく、実際の振る舞いを学ぶ機会となります。ビジネスマナーやリーダーシップを確認できるように、ITスキル研修を設計し連携することが求められます。


研修の内製化に役立つリソース

オンライン学習プラットフォーム

  • Udemy for Business
    多数のIT関連コースが揃っており、特に社内向けの研修カリキュラムをカスタマイズして利用することができます。
    Udemy for Businessの詳細はこちら
  • LinkedIn Learning
    ビジネススキルやITスキルに特化したオンライン学習プラットフォーム。社員が自主的に学習できるコンテンツが充実しています。
    LinkedIn Learningの詳細はこちら

研修管理ツール

  • Google Workspace
    ドキュメント共有や共同作業が簡単にでき、研修資料の作成やスケジュール管理に最適です。
    Google Workspaceの詳細はこちら
  • Zoom
    リモート研修に最適なビデオ会議ツール。特にハイブリッド型の研修において、対面とオンラインを組み合わせた形式で利用できます。
    Zoomの詳細はこちら

まとめ

IT研修の内製化は、企業の成長と従業員のスキル向上に大きく貢献します。本記事で紹介したステップに従って、目的に合ったプログラムを設計し、適切なツールを活用することで、効率的かつ効果的な研修が実現できます。人事担当者として、コスト削減や社員のスキルアップを最大限に引き出すために、IT研修の内製化を進めていきましょう。コンサルティングや研修の依頼は、お問い合わせフォームからお願いいたします。

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