はじめに
内製化研修は、企業独自のニーズに合った研修内容を提供できるというメリットがありますが、従業員エンゲージメントが低下するリスクも存在します。従業員が研修に対して興味を持たなかったり、適切な支援が不足すると、モチベーションの低下やエンゲージメントの喪失に繋がる可能性があります。本記事では、内製化研修が従業員エンゲージメントに与えるリスクについて説明し、その回避策を提案します。
リスク1: 研修の一貫性と質が不十分
問題点:
内製化研修では、外部講師と異なり、研修の質が講師や内容に依存しがちです。特に、社内講師が十分な準備やトレーニングを受けていない場合、研修内容の質や一貫性にばらつきが生じ、従業員が研修に対して不満を抱くことがあります。その結果、従業員のエンゲージメントが低下し、研修への意欲が薄れてしまうリスクがあります。
回避策:
- 社内講師の育成: 社内講師が研修の質を維持できるように、講師育成プログラムを導入します。ファシリテーションスキルや研修設計のノウハウを学ばせることで、従業員にとって効果的な研修を提供できる体制を整えます。
- 研修の標準化とフィードバック: 研修の内容を標準化し、すべての従業員が同じ質の研修を受けられるようにします。また、研修後にフィードバックを積極的に収集し、継続的に研修内容を改善することで、従業員のニーズに合った研修を提供します。
リスク2: モチベーションの低下
問題点:
内製化研修では、外部の講師が提供する研修に比べて新鮮さが欠けることが多く、従業員のモチベーションが低下するリスクがあります。特に、研修内容が単調であったり、実務と関連性が薄いと、従業員は研修に積極的に参加しなくなり、結果としてエンゲージメントが低下してしまう可能性があります。
回避策:
- インタラクティブな研修デザイン: 研修にインタラクティブな要素を取り入れ、従業員が積極的に参加できる環境を作ります。グループディスカッションや実際の業務を反映したケーススタディを通じて、研修内容に実践的な要素を加えることで、従業員のモチベーションを高めます。
- ゲーミフィケーションの導入: 研修にゲーミフィケーション(ゲーム要素)を取り入れ、従業員が研修に対して楽しさや達成感を感じられる仕組みを作ります。例えば、進捗に応じてポイントや報酬を獲得できるシステムを導入することで、従業員のモチベーションを維持します。
リスク3: 研修の実務への適用が困難
問題点:
内製化研修が実務と乖離している場合、研修内容が業務に応用できないという問題が発生します。研修で学んだスキルや知識が日常の業務に活かせなければ、従業員は研修を無駄だと感じ、エンゲージメントが低下する恐れがあります。
回避策:
- 業務に直結したカリキュラム設計: 研修内容を実務に直結するように設計し、従業員が研修後すぐに業務で活用できるスキルや知識を提供します。IT研修であれば、実際に使用しているシステムやツールに関連するトレーニングを行い、研修と業務のギャップを埋めます。
- オンザジョブトレーニング(OJT)の併用: 研修後に、学んだスキルを実務で試す機会を設けるために、OJT(オンザジョブトレーニング)を導入します。これにより、研修内容が実際の業務にどのように活かされるかを体験することができ、エンゲージメントを維持します。
リスク4: 従業員間の一体感が欠如
問題点:
内製化研修では、従業員間の一体感が欠如することがあります。外部の研修では、異なる部署や企業から参加者が集まり、多様な視点や経験を共有することで刺激を受けることができますが、内製化研修ではそうした交流が不足しがちです。その結果、従業員のエンゲージメントが低下することがあります。
回避策:
- クロスファンクショナルな研修グループの作成: 研修グループを異なる部署や職種で構成し、従業員同士が新しい視点を得られるようにします。多様な背景を持つ従業員が集まることで、研修中に活発な意見交換が行われ、従業員間の一体感が高まります。
- 社内メンタリングプログラムの導入: 内製化研修後に、社内のメンターと従業員をペアにするメンタリングプログラムを導入します。これにより、研修で学んだ内容を深めるだけでなく、従業員同士の絆を強化し、エンゲージメントを高めることができます。
まとめ
内製化研修は、企業のニーズに合わせた柔軟な設計が可能な反面、従業員エンゲージメントが低下するリスクも存在します。講師の育成やインタラクティブな研修設計、実務に直結したカリキュラム、クロスファンクショナルな研修グループの作成などを通じて、こうしたリスクを回避することが可能です。企業はこれらの対策を取り入れることで、従業員のエンゲージメントを維持し、研修の効果を最大化できます。